コラム

老後資金の計算方法は?必要な要素と目安金額を解説

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老後資金はいくら必要になるのかな?

 
 

どうやって計算すればいいか分からないから教えてほしい!

老後のことを考えるにあたり、実際に自分が亡くなるまでにいくら必要になるのか、把握できていない方は多いでしょう。金融庁は2019年に「老後2,000万円不足する」と公表し話題となりましたが、実際の不足額は2,000万円よりも多額になるケースもあります。

そのため、まずは自身の老後生活に必要な金額はいくらなのか把握することが重要です。必要な金額を把握できていれば、資産を形成するために必要なことが自然と見えてくるでしょう。

本記事では、老後資金の必要金額を把握するための計算方法を解説します。計算するために必要な要素と、老後資金を形成する方法も説明しているため、ぜひ参考にしてください。

老後資金を計算するにあたり知っておくべき基礎知識

老後資金を計算するためには、以下の要素が必要となります。

  • 平均寿命
  • 健康寿命
  • 高齢世帯の家計
  • 公的年金の平均受給額
  • 退職金の支給額

基礎知識でもあるため、ひとつずつ押さえておきましょう。

平均寿命

老後資金を計画するうえで、まず自分が何歳まで生きる可能性があるのかを想定することが重要です。その際に、最も基本的な指標となるのが「平均寿命」であり、これを目安にすることで必要な資金額を見積もれます。

厚生労働省が発表した最新の資料によれば、2023年時点の日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が81.09歳でした。

【参考】2024年簡易生命表|厚生労働省

この数値は年々伸び続ける傾向にあり、今後もこの流れは続くと考えられています。

実際に、同資料では約50年後の2070年には女性が91.94歳、男性は85.89歳にまで達すると予測されています。

したがって、老後資金を準備する際は、現時点での平均寿命よりもさらに長い期間を想定しておくことが賢明と言えるでしょう。

健康寿命

老後の生活を考えるうえで、平均寿命と同じくらい重要なのが「健康寿命」という指標です。健康寿命とは、心身ともに自立し、介護などを必要とせずに日常生活を健康に送れる期間を指します。

厚生労働省の発表によると、令和4年時点での健康寿命は男性が72.57歳、女性が75.45歳とされています。

【参考】健康寿命の令和4年値について|厚生労働省

この健康寿命と平均寿命との間にある期間中は、何らかの健康上の問題で日常生活に制限が生じている状態を意味します。令和4年のデータで計算すると、男性で8.49年、女性では11.63年もの期間、介護や医療のサポートが必要になると考えるべきでしょう。

この期間は医療費や介護費用が別途発生するため、老後資金を計算する際にはこの点も十分に考慮に入れる必要があります。

高齢世帯の家計

ご自身の老後資金を計算するためには、リタイア後の生活でどれくらいの支出があるのか、収入はどの程度見込めるのかの把握が不可欠です。世帯ごとの状況によって家計は大きく異なるものの、一般的な高齢者世帯の収支を知ることは、ご自身の計画を立てるうえで大いに参考になります。

総務省が2024年に発表した家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の家計は以下のようになっています。

項目金額(月額)
可処分所得(手取り収入)222,462円
消費支出256,521円
不足額-34,059円

また、65歳以上の単身無職世帯の場合は以下のとおりです。

項目金額(月額)
可処分所得(手取り収入)121,469円
消費支出149,286円
不足額-27,817円

【参考】家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要|厚生労働省

上のデータからわかるように、平均的な高齢無職世帯では年金などの収入だけでは生活費を賄えず、毎月不足分を貯蓄などから補っている状況が見て取れます。

公的年金の平均受給額

現役を引退した後の生活において、収入の大部分を占めることになるのが国から支給される公的年金です。したがって、自分が将来いくらくらいの年金を受け取れるのかを把握しておくことは、老後資金計画の根幹をなす非常に重要な要素となります。

特に若い世代の方にとっては、将来の受給額が不透明で不安に感じるかもしれません。そのような時に参考になるのが、全体の平均額です。

厚生労働省によると、令和5年度における厚生年金保険の受給者平均年金月額は、国民年金部分を含めて147,360円でした。

厚生年金保険:主に会社員や公務員が加入する公的年金制度のこと。

【参考】令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働局

ただし、この金額はあくまで平均値です。厚生年金は現役時代の収入や加入期間に応じて受給額が変動する仕組みのため、個人差が非常に大きい点は考慮する必要があります。

ご自身の正確な見込み額を知るためには、日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」や、インターネットサービスの「ねんきんネット」で確認してみてください。

退職金の支給額

公的年金と並んで、老後の生活を支えるための重要な資金源となるのが、勤務先から受け取る退職金です。まとまった金額が一度に手に入るため、住宅ローンの完済やリフォーム資金、あるいは老後資金の元手として大いに役立ちます。

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒で定年まで勤め上げた場合の退職給付額の平均は1,896万円でした。

【参考】令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

しかし、この退職金の支給額は年々減少傾向にあるという事実も知っておかなければなりません。例えば、平成30年の同調査では平均額が1,983万円であり、この5年間で約87万円も減少している計算になります。

そのため、ご自身の老後資金計画に退職金を含める場合、将来受け取る際には現時点での平均額よりも少なくなっている可能性を念頭に置かなければなりません。

退職金は老後の生活設計を大きく左右する資金ですので、受け取った後も計画的に管理し、有効に活用していくことが求められます。

老後資金の計算方法【3ステップで完了】

老後資金は以下3つの手順で計算できます。

  1. 固定費・変動費を分類し毎月の生活費を算出
  2. 年金・退職金・運用益を可視化して“入るお金”を把握
  3. 不足額=「必要額−入るお金」を計算し目標金額を決定

順番に見ていきましょう。

1.固定費・変動費を分類し毎月の生活費を算出

まずは、リタイア後に毎月どれくらいの生活費が必要になるかを正確に把握します。現時点での家計状況を基に、将来の支出額を予測することから始めましょう。

このとき、家計の支出を「固定費」と「変動費」の2種類に分類すると、整理しやすくなります。具体的には、以下のように支出を分類できます。

固定費変動費
・住居費(家賃や住宅ローン)
・水道光熱費
・通信費
・保険料
・サブスクリプションサービス料など
・食費
・日用品費
・交際費
・趣味・娯楽費
・医療費
・交通費など

現時点での支出を洗い出したうえで、老後は外食が減る、あるいは旅行が増えるなど、ライフスタイルの変化を考慮して金額を調整してください。

また、現在子育て中の方はお子さまが独立した後の生活費を想定することが重要です。一般的に、夫婦2人だけの生活費はお子さまがいる世帯の7〜9割程度になると言われています。

2.年金・退職金・運用益を可視化して“入るお金”を把握

老後の生活にかかる支出額を算出したら、次にその生活を支えるための収入、つまり「入ってくるお金」を把握します。老後における収入の柱は、主に「公的年金」と勤務先から支給される「退職金」の2つです。

公的年金の受給見込額は、日本年金機構の「ねんきんネット」で詳細な金額を確認できます。また、退職金は勤務先の就業規則や退職金規程で概算額の算出が可能です。

さらに、すでにご自身でiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などを活用して資産運用に取り組んでいる場合は、その運用益も収入として考慮に入れましょう。

加えて、65歳以降も働き続けることを考えているのであれば、その労働収入も重要な収入源となります。いつまで、どのような形態で働くかを仮に設定し、得られるであろう収入額を計上してください。

参考までに、定年後に同じ会社で再雇用された場合の給与は、現役時代の5〜7割程度になることが多いと言われています。

3.不足額=「必要額−入るお金」を計算し目標金額を決定

毎月の支出と収入の見込み額が算出できたら、いよいよ最終ステップとして、老後資金として具体的にいくら準備すべきかの目標金額を計算します。

目標金額は「老後に必要な総額」から「老後に入ってくるお金の総額」を差し引くことで算出できます。

基本的な計算式は以下のようになり、毎月の不足額に老後の生活期間(年数)を乗じることで、準備すべき総額が算出になります。

準備すべき目標金額(毎月の生活費 – 毎月の収入) × 12ヶ月 × 老後の年数

例えば、毎月の生活費が25万円、年金などの収入が20万円で、老後の期間を25年と想定します。その場合の不足額は5万円(=25万円 – 20万円)となり、目標金額は1,500万円(=5万円 × 12ヶ月 × 25年)と計算できます。

もし、定年後もしばらく働くことを想定している場合は、計算を「働く期間」と「完全にリタイアする期間」の2段階に分けて考えることが重要です。

老後資金を計算することで、漠然としていた老後の不安が具体的な数値目標に変わり、今から何をすべきかが明確になるでしょう。

老後資金の不足に陥る落とし穴3つ

老後資金を入念に計算したとしても、実際に生活を送ってみると不足に陥る可能性は十分にあります。老後資金の不足に陥る要因として考えられるのは、以下の3つです。

  • 想定より長く生きる「長生きリスク」
  • 医療費・介護費などの「想定外支出」
  • 物価上昇の「インフレリスク」

計算時にひとつでも見落としがあると、計算結果が大きく狂い、老後資金が大幅に不足することが考えられます。ひとつずつ見ていきましょう。

想定より長く生きる「長生きリスク」

長生きは本来喜ばしいことですが、老後資金の観点から見ると、計画した資金が尽きてしまう「長生きリスク」として捉える必要があります。私たちが老後資金を計算する際、当初想定した年齢よりも長生きすれば、その分だけ多くの生活費が必要になります。

実際に医療の進歩などにより日本人の平均寿命は年々延び続けており、自分たちが老後を迎える頃には、さらに長寿になっている可能性が高いです。

そのため、老後資金を計画する際は現時点での平均寿命を基準にするのではなく、それよりも5年から10年ほど長く生きることを想定して計算することをおすすめします。

余裕を持った期間を設定しておくことで、想定外に長生きした場合でも資金が枯渇する事態を避けられ、安心して老後の生活を送れるでしょう。

医療費・介護費などの「想定外支出」

老後の生活設計において見落としがちで、かつ家計を大きく圧迫する可能性があるのが、医療費や介護費といった健康に関わる想定外の支出です。年齢を重ねるにつれて病気やケガのリスクは高まり、それにともない医療機関にかかる費用は増加する傾向にあります。

実際に総務省の家計調査によると、世帯主の年齢階級別に見た保健医療費は60歳を境に大きく増加していることがわかります。

世帯主年齢保健医療支出額(年間)
50-59歳164,920円
60-69歳205,881円
70歳以上207,767円
出典:総務省「家計調査(2024年)」二人以上の世帯

2025年現在、75歳以上の医療費自己負担は原則1割ですが、国の財政状況によっては将来この負担割合が引き上げられる可能性は十分に考えられます。

また、万が一要介護状態になった場合はさらに大きな費用が必要となり、自宅で介護を受ける場合でも以下のような初期費用が発生します。

  • 手すりの設置
  • バリアフリー化のリフォーム
  • 介護用ベッドのレンタル など

こうした予測が難しい支出に備え、生活費とは別枠で医療・介護予備費を準備しておくことが、安心して老後を迎えるためのカギとなります。

物価上昇の「インフレリスク」

時間をかけて準備した老後資金の価値が、知らず知らずのうちに目減りしてしまう「インフレリスク」にも注意が必要です。インフレとは、モノやサービスの値段(物価)が継続的に上昇し、相対的にお金の価値が下がる現象を指します。

例えば、これまで100円で買えていたパンが120円に値上がりした場合、同じ100円ではパンが買えなくなり「お金の価値が下がった」ことになります。

実際に、日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は近年上昇傾向にあり、特に直近数年間の変動率は高い水準で推移しています。

年月前年同月比変動率
2022年5月+2.5%
2023年5月+3.2%
2024年5月+2.8%
2025年5月+3.5%
参考:2020年基準 消費者物価指数|総務省

仮に毎年2%のインフレが続くと、現在2,000万円の価値は、約35年後には半分の1,000万円相当にまで目減りしてしまいます。

老後資金を準備する際はただ目標金額を貯めるだけでなく、インフレに負けないよう株式や投資信託などを活用し、お金にも働いてもらう視点が不可欠です。

年金減少による「賃金低下リスク」

老後の収入の柱である公的年金の受給額が、将来的に減少してしまうリスクも真剣に考慮しなければなりません。厚生労働省の発表によると、厚生年金受給者の平均年金月額は必ずしも右肩上がりではなく、年度によっては前年よりも減少しています。

年度厚生年金保険 平均年金月額(老齢年金)
令和元年度146,162円
令和2年度146,145円
令和3年度145,665円
令和4年度144,982円
令和5年度147,360円
参考:令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
緑太字:前年比減 赤太字:前年比増

今後、日本の社会は少子高齢化のさらなる進行にともない年金保険料を納める現役世代が減少し、年金を受け取る高齢者世代が増加していきます。

この構造的な問題により、将来の年金制度を維持するために、一人ひとりの受給額が抑制されたり支給開始年齢が引き上げられたりする可能性は十分に考えられます。

したがって、老後資金計画を立てる際には、国が示す年金見込額を鵜呑みにするのではなく、少し控えめに見積もっておくことが賢明です。

年金だけに頼り切るのではなく、iDeCoやNISAなどを活用して自分自身で資産を形成していく「自助努力」が、これまで以上に重要になるでしょう。

【ケース別シミュレーション】老後資金の目安を計算

老後資金の計算方法を把握できたとしても、実際に計算するまでの流れを見てみたい方も多いでしょう。ここからは、以下2つのケースを基に老後資金の目安を計算してみました。

  1. 夫婦2人暮らしの場合
  2. 単身世帯の場合

なお、本シミュレーションでは共通して以下の条件を基に算出しています。

  • 期間は65歳から90歳までの25年間
  • 収入は公的年金のみ
  • インフレ率は1%とする
  • 参考とする資料は2023年度の総務省「家計調査」と厚生労働省「年金平均額」とする

年金平均額の最新資料が2023年度であるため、家計調査も2023年時点のものを採用しております

ぜひ参考にしてみてください。

1.夫婦2人暮らしの場合

夫婦2人暮らしの場合における月々の収支は、以下のようになります。

項目金額(月額)備考
年金収入211,993円夫(厚生年金)+妻(国民年金)のモデル
消費支出293,997円65歳以上夫婦のみ無職世帯の平均
不足額-82,004円毎月この金額が赤字となる

毎月約8.2万円の不足額が、25年間にわたって続くと仮定します。単純に計算すると約2,460万円(=82,004円 × 12ヶ月 × 25年)となるものの、物価のインフレ率(1%)を加味して計算すると、総額は約2,780万円にまで膨らみます。

この金額が、平均的な夫婦世帯が年金以外に準備すべき老後資金の目安となり、計画的な資産形成の重要性を示しています。

2.単身世帯の場合

次に、単身世帯のケースでシミュレーションしてみましょう。各種統計データを基にすると、単身世帯における老後の月々の収支は、おおよそ以下のようになります。

項目金額(月額)備考
年金収入147,360円厚生年金受給者の平均額
消費支出185,067円65歳以上単身無職世帯の平均
不足額-37,707円毎月この金額が赤字となる

毎月約3.7万円の赤字を、物価が年1%上昇することを考慮しながら25年間分で計算すると、不足額の総額は約1,280万円となります。この金額を見ると、平均的な退職金の給付額(約1,896万円)で十分に賄えると感じるかもしれません。

しかし、上述したとおり退職金の支給額は年々減少傾向にあり、将来自分がいくら受け取れるかは不確定です。退職金を過度に当てにしすぎず、あくまで老後資金の一部として捉え、計画的に準備を進める姿勢が大切です。

老後資金を確実に準備するためにやるべきこと5つ

老後資金として必要な金額は数千万円単位になるため、今のうちから確実に準備する必要があります。高額なために難しく感じる方も多いでしょうが、適切な施策を取れば、時間はかかるもののしっかり用意できます。

老後資金を準備するために取り組むべき施策は、以下の5つ解説です。

  • 家計を改善して貯蓄できるようにする
  • iDeCo・NISAを活用する
  • 公的年金がいくらもらえるのか確認する
  • 退職金の使い道を決める
  • 専門家に相談する

できることから取り入れていきましょう。

家計を改善して貯蓄できるようにする

老後資金を準備するためには、まず毎月の収入から着実に貯蓄へ回せるお金を生み出す「家計改善」が重要です。いきなり大きな目標を立てる前に、足元の家計を見直し、無理なく貯蓄できる体質へと変えていく必要があります。

家計の見直しを行う際に効果的なのは、食費などの変動費よりも、毎月一定額が出ていく「固定費」から手を付けることです。

固定費は一度見直せば削減効果が半永久的に続くため、手間に対する効果が非常に大きいというメリットがあります。特に、見直しの効果を実感しやすいのは以下3つの項目です。

  • スマートフォンの通信費
    ⇒ 大手キャリアから格安SIMへ乗り換えるだけで、月々の支払いを数千円単位で削減できる可能性があります。
  • 生命保険料
    ⇒ 加入当時から家族構成やライフステージが変化している場合、現在の自分にとって過剰な保障内容になっていないか確認しましょう。
  • サブスクリプションサービス
    ⇒ 動画配信や音楽配信など、利用頻度が低いにもかかわらず契約し続けているサービスがないか、定期的に棚卸しすることが大切です。

上記を見直すだけで、月1万円以上の節約につながることも珍しくありません。

iDeCo・NISAを活用する

家計改善によって安定的に貯蓄できるようになったら、次のステップとしてその資金を「育てる」ことを考えましょう。銀行にお金を預けているだけでは資産はほとんど増えず、インフレによって実質的な価値が目減りするリスクさえあります。

そこで活用したいのが、国が用意した税制優遇制度である「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「NISA(少額投資非課税制度)」です。

特にiDeCoは、掛け金が全額所得控除の対象となり所得税や住民税を軽減できるうえ、原則60歳まで引き出せないため、老後資金を準備するのに最適な制度です。

実際に、貯蓄と積立投資では将来の資産額に大きな差が生まれる可能性があります。

貯蓄のみ(年利0.1%)積立投資(年利3.0%)
元本300万円300万円
運用益約2.5万円約139万円
合計額約302.5万円約439万円
毎月1万円を25年間積み立てた場合のシミュレーション

過去の実績に基づくと、全世界の株式などに分散投資するインデックス型の投資信託は、年平均3.0〜7.0%程度のリターンが期待できるとされています。

もちろん投資には元本割れのリスクが伴うため、あくまで生活に影響のない余剰資金から始めることが鉄則です。最終的な判断はご自身の責任で行う必要がある点は、理解してください。

公的年金がいくらもらえるのか確認する

老後の生活設計を立てるうえで、収入の柱となる公的年金をいくら受け取れるのかを正確に把握しておくことは不可欠です。

将来の受給額を知るための便利なツールとして、厚生労働省が提供している「公的年金シミュレーター」があります。このツールを使えば、ご自身の生年月日や現在の年収などを入力するだけで、将来受け取れるおおよその目安額を手軽に計算できます。

より正確な金額を知りたい場合は、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を確認するのが最も確実です。特に35歳、45歳、59歳という節目の年に届く「ねんきん定期便」は、これまでの全加入履歴が記載された封書形式となっており、より詳細な情報を得られます。

漠然とした不安を解消し、具体的な資金計画を立てるためにも、これらのツールを活用してご自身の年金受給見込額を確認してみてください。

退職金の使い道を決める

勤務先から退職金を受け取れる見込みのある方は、どのように活用するのかあらかじめ計画を立てておきましょう。まずは、ご自身の会社の給与規程や退職金制度を確認し、定年時にどのくらいの金額を受け取れるのかを把握することから始めます。

そのうえで、受け取った退職金を目的別に仕分けし、具体的な使い道を決めておくと良いでしょう。一例として、以下のような分類の仕方があります。

  • 当面の生活防衛資金として銀行口座に残すお金
  • 将来のために資産運用に回すお金
  • 旅行や趣味など人生を楽しむために使うお金
  • 住宅ローンの繰り上げ返済に充てるお金

対照的に、絶対に避けるべきは、よく理解していないハイリスクな金融商品に退職金の大部分を投じてしまうことです。「老後資金を増やしたい」という気持ちが先行することもあるでしょうが、あくまで堅実なやり方で行うべきです。

長年の勤労に対する大切な対価であることを忘れず、守りながら堅実に活用していくという視点を持ち続けることが求められます。

専門家に相談する

老後資金は自分で準備することが大切ですが、一方で自力で老後資金の計画を立てることに難しさや不安を感じる場合もあるでしょう。

そのようなときは、無理せずにお金の専門家の力を借りるという選択肢を検討してみてください。

例えば、家計全体の改善や保険の見直し、教育資金や住宅ローンを含めた総合的なライフプランニングの相談がしたい場合は「ファイナンシャルプランナー(FP)」が適しています。

一方で、より具体的に資産運用を始めたい、どのような金融商品を選べば良いかアドバイスが欲しいといった場合は「ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」が選択肢に挙がります。

お金の専門家は、客観的な視点からあなたの状況を分析し、最適な解決策を一緒に考えてくれる心強いパートナーです。相談には費用がかかる場合もありますが、専門的な知見を得ることで、より安心で確実な老後資金計画を立てることが可能になります。

ファイナンシャルプランナーの観点から老後資金を見てほしい場合は、こちらよりお問い合わせください。

【結婚資金から老後資金まで】ライフプランシート作成サービスのご案内
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栃木・宇都宮で老後資金の不安がある方はお気軽にご相談ください

老後に必要な資金を計算しておくことで、現時点で抱えている不安を和らげられる可能性があります。実際に必要な金額を把握すれば、老後資金を貯める行動に移しやすくなるでしょう。

老後に対して不安を抱えている方は、まずは自分がいくら必要なのか計算してみてください。

まだ老後が先でイメージができない方は、ライフプランシートを作成することをおすすめします。ライフプランシートでは老後生活だけでなく、今後起こりうるあらゆるライフイベントを基に資金計画を立てるため、適切な資金繰り方法を総合的に考えられます。

ライフプランシートの作成方法は「ライフプランとは?設計するメリットと押さえるべきポイントを解説」の記事で解説しているため、こちらもぜひ参考にしてください。

ライフプランとは?設計するメリットと押さえるべきポイントを解説
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老後資金の計算を自身で行えるか自信がない方は、ファイナンシャルプランナーの土田までお気軽にご相談ください。実現したい老後のライフスタイルを基に、必要な金額を算出いたします。

お金に関するあらゆるお悩みの改善案をご提案します!
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